短時間労働者の社会保険料負担を緩和する制度が始まります

 現在、社会保険の被保険者数が51人以上の企業等で働く短時間労働者は社会保険の加入対象となりますが、この対象企業は下記のとおり、順次拡大される予定となっています。

 この場合の「被保険者数」には、次の2つのカテゴリーを合計した人数が該当します。

 従業員数のカウントは、法人事業所の場合は同一の法人番号を有する全事業所を合計し、個人事業所の場合は個々の事業所ごとに行ないます。 

 ただし、従業員数が51人に到達した時点ですぐに該当するのではなく、月ごとに従業員数をカウントして、直近12か月のうち6か月で基準を上回ると、その事業所で働く短時間労働者が社会保険の適用対象となります。適用対象時期が近づくと、日本年金機構から通知が届きます。

 基準を上回った事業所を「特定適用事業所」といいますが、基準に満たない場合でも、労使合意の届け出によって短時間労働者を社会保険の加入対象にすることができます。これを「任意特定適用事業所」といいます。

 短時間労働者としては、社会保険に加入することで健康保険や年金の内容がアップする反面、保険料負担が増えて手取りが減ることや、配偶者がもらっていた家族手当が減額・停止されることが懸念されます。それを回避するために就業調整などが行なわれると、労使双方にとってのデメリットとなります。

保険料調整制度とは?

 そこで、2026年10月1日から、短時間労働者の社会保険料負担を支援する制度が始まります。

 この制度は、新たに社会保険の加入対象となる短時間労働者が就業調整せずに働けるよう、制度の利用から通算3年間、対象となる労働者の社会保険料を軽減するものです。

 その軽減分は、一時的に事業主が負担することになりますが、一定期間経過後に支払う保険料からその分を全額控除するため、最終的に事業主が納付する保険料は増えません。労働者が将来受け取る年金額にも影響はありません。

対象となる事業所とは?

  1. 2026年10月1日以降、任意特定適用事業所になると、保険料調整制度の対象となります。2026年9月30日以前に任意特定適用事業所となった事業所は、対象外です。
  2. 2027年10月1日以降、特定適用事業所になると、保険料調整制度の対象になります。

対象となる労働者とは?

 対象となるのは、以下の3つの条件にすべて当てはまる短時間労働者です。

  1. 週の所定労働時間が20時間以上
  2. 標準報酬月額が12.6万円以下
  3. 学生ではない

労使の負担割合は?

 労使の負担割合は、次のとおりです。

利用する際の手続きは?

 保険料調整制度を利用するためには、事業所が保険料調整制度の対象となった日から2年以内に、事業主からの申し出が必要です。届書様式や手続きの詳細は、厚生労働省から後日、発表される予定です。