女性活躍推進法の改正(2026年4月1日施行)
改正女性活躍推進法が、2026年4月1日に施行されました。
改正のポイントとしては、
① 法の有効期限延長(令和18年3月31日まで)
② 情報公表の必須項目拡大
③ 職場における女性の健康支援
④ 認定基準の見直し
などがありますが、ここでは主に、「② 情報公表の必須項目拡大」について見ていきます。
情報公表の必須項目が拡大
女性活躍推進法では、一定規模以上の企業に対して女性の活躍に関する情報を公表することを義務付けています。
就職活動中の学⽣など求職者の企業選択に役立てるとともに、⼥性が活躍しやすい企業であることをアピールすることによって、優秀な⼈材の確保や競争⼒の強化につながることが期待できます。
今回、その公表項目が拡大されました。
101人以上300人までの労働者を雇用する企業では「男女間賃金差異」「女性管理職比率」の公表が新たに義務化され、301人以上の労働者を雇用する企業では「女性管理職比率」の公表が新たに義務化されました。


男女間賃金差異とは
男女間賃金差異を算出する方法は、以下のとおりです。
- ⑴ 労働者の分類
- 雇用するすべての労働者を「女性」「男性」、また、「正規」「非正規」で4種類に分類
・正規雇用労働者:期間の定めなくフルタイム勤務する労働者
・非正規雇用労働者:パートタイム労働者、有期雇用労働者(派遣労働者は除外)
- ⑵ 総賃金と人員数の算出
- 4種類の労働者それぞれについて、一の事業年度の総賃金と人員数を算出
- ⑶ 平均年間賃金の算出(正規・非正規)
- ⑵でそれぞれ算出した総賃金をそれぞれの人員数で除する
- ⑷ 平均年間賃金の算出(すべての労働者)
- 「正規」「非正規」の総賃金・人員数を利用して、「すべての労働者」の年間平均賃金を男女別に算出
・すべての労働者:正規+非正規
- ⑸ 割合の算出
- 「正規」「非正規」「すべての労働者」ごとに、(女性の平均年間賃金)÷(男性の平均年間賃金)により、割合(パーセント)を算出
数式にすると、以下のようになります(小数点第2位を四捨五入し、小数点第1位まで表示)。

総賃金とは、賃金、給料、手当、賞与その他の名称のいかんを問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのものをいいます。ただし、退職手当と通勤手当等は、賃金から除外しても差し支えありません。
女性管理職比率とは
「管理職」とは、「課長級」および課長級より上位の役職(役員を除く)にある労働者の合計をいいます。ただし、ここでいう「管理職」は、労働基準法での「管理監督者」とは必ずしも一致しません。
課長級とは、次の①②③いずれかに該当する者を指します。
① 組織が2係以上から構成されている ② 組織が10人以上で構成されている


③ 「課長」という呼び名ではないが、職務の内容及び責任の程度が課長級に相当する者(ただし、一番下の職階でない)
一般的に「課長代理」「課長補佐」と呼ばれている者は、上記の組織の長やそれに相当する者とはみなされません。
女性管理職比率の算出方法は、次のとおりです。
①「管理職」に該当する労働者全体の数と、「管理職」に該当する女性労働者の数をそれぞれ計算
②「管理職」に該当する女性労働者の数を「管理職」に該当する労働者全体の数で除して100を乗じて得た数値(パーセント)を女性管理職比率とする

なお、算出方法は男女で同じ方法にしなければなりません。 数値は、小数点第2位を四捨五入し、小数点第1位までのものとします。
公表方法について
女性活躍推進法の情報公表は、求職者への情報提供が目的であるため、有価証券報告書で公表しただけでは情報公表を行なったことにはなりません。
厚⽣労働省が運営する「⼥性の活躍推進企業データベース」や自社ホームページ等インターネットの利用などにより、学⽣をはじめとした求職者等が容易に閲覧できるよう公表しましょう。
情報公表の内容については、おおむね年1回以上更新し、いつの情報なのかわかるよう更新時点を明記します。
その時点に得られる最新の数値(特段の事情がない限り、古くとも公表時点の前々年度の数値)について公表してください。
初回の男女賃金差異、女性管理職比率については、改正法が施行される令和8年4月1日以降に最初に終了する事業年度の実績をその次の事業年度の開始後おおむね3か月以内に公表する必要があります。

罰則について
情報公表に関し、虚偽の公表をした場合や、常時雇用する労働者数101人以上の一般事業主が公表しなかった場合においては、労働局は当該一般事業主に対して報告を求め、または助言、指導、勧告をすることができるとされています。
また、この勧告を受けた事業主がこれに従わなかったときは、その旨を公表することができるとされています。
なお、情報公表を行なわなかったことそのものに関する罰則は設けられていませんが、労働局から求められた報告をせず、または虚偽の報告をした場合は、20万円以下の過料に処せられます。

